ヨーロッパ(シェンゲン協定加盟国)に旅行やビジネスで出張などに行かれる方は、「ETIAS(エティアス=European Travel Information and Authorization System=欧州渡航情報認証制度)」について知っておかないと危険です。
とにかくビザ(滞在許可証)を持っていない方は2025年春以降、ヨーロッパへ簡単に入国ができなくなります。これは2025年春ごろにETIASの制度の運用が開始される予定だからです。
感染症が流行する前から制度の施行が予定されていましたが、何度も延期が重ねられ現在に至っていますが、何とここにきて更に延期されるのではないかという情報が公式サイトから上がっています。
今回はETIASが更に延期される可能性が浮上した理由と、ETIASの制度などについて改めて紹介します。ご質問をよくいただきますが2024年から2025年春(4月ごろ)までは、ETIASなどの手続きをせずに、これまで通りパスポートの所持のみでヨーロッパ諸国には入国が可能です。
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ヨーロッパのETIASのシステム開発が遅れていることが延期の原因
ETIASのシステムの内容や申請方法などを含め、さまざまな情報が発信されている英文の公式サイト「ETIAS.com」で、ユーロポール(欧州刑事警察機構)とフロンテックス(欧州国境沿岸警備機関)が、システム開発の遅れについて懸念を示しているといった内容の記事が2024年1月21日にリリースされました。
ETIASを施行するにあたり、ヨーロッパ各国への旅行者や航空会社などが利用する関連システムを整備する必要がありますが、これが大幅に遅れており2025年の春の制度施行に間に合わないのではないかと言われています。
確かにヨーロッパ各国が綿密に連携して情報共有などを行いスムーズな制度運用されなければなりませんが、ETIAS以外にも各国さまざまな課題や問題を抱えており、全ての国が足並みをそろえていくのは困難であることが容易に想像ができます。
ではシステム上でヨーロッパ各国がETIASの制度上どのような管理が必要になるのか、次で説明していきます。
データ管理と24時間年中無休の申請処理体制などが課題
ETIASを施行する主な目的はテロなどの脅威を排除するためで、外国人による犯罪を抑止する狙いがあります。
そのためETIASが義務化されれば基本的にはビザ(滞在許可証)を持たない人は、個人情報などを入力してETIASを申請するのですが、その入力されたデータを管理する体制と、各国でスムーズに共有するシステム、24時間年中無休の申請処理体制、航空会社への支援体制などを整える必要があり、2025年の春までには現状、実現が難しいとされているのです。
実際、ETIASの申請はEtias.comの「Application」のページで行えるようになる予定ですが、長い間申請フォームなどは公開されておらず、制度自体の説明のみにとどまっています。
ちなみにETIASの申請方法や必要書類、料金などについては以下の記事で解説していますので、気になる方はご覧ください。↓
ETIASを施行するには、非EU諸国と連携も深めていかなければならず、これも課題の1つとなっています。
ETIASを施行するためには非EU諸国との連携も課題
ETIASを施行するためには各国とデータ共有に関する協定などを締結する必要があり、非EU諸国との連携も課題の1つとされています。
ユーロポールは犯罪データベースとETIASで申請された内容の照合や、サードパーティデータを取得するにあたって、非EU諸国との連携は不可避で、データ保護とセキュリティコンプライアンスも絡んでくる複雑な問題です。
システム開発などの技術面の課題と、各国の対応の遅れによって、ユーロポールとフロンテックスが直面する課題も増えてきており、ETIASの施行の可否にもつながる可能性も指摘されています。
これらの理由から2025年の春に施行予定のETIASが更に延期される可能性があり、今後も最新情報を確認していく必要があります。
またEESという出入国スキームの導入も2024年10月に迫っています。↓
当ブログでも最新情報を追って順次更新していきますので、是非チェックしてください。